自閉症児とのドイツ暮らし

ドイツでワンオペ生活、自閉症児との暮らしを綴っています

きっとずっと解決しない問題

 

長男を連れて出掛ける時は、未だにバギーが必要になります。気になる物を見つけると前を向かずそっぽを向きながら歩くので、ちょっと目を離せばすぐに何かに激突します。

また、車や電車等の危険も全く理解しておらず、自分の好きな方向へどんどん進んで行ってしまうので、一人で歩かせる事が途轍もなく危険なのです。手を繋ぐ事も頑なに嫌がり、無理強いをすれば大きな声を出すパニックに繋がってしまうので、必然的にバギーに座ってもらうしか手段はありません。バギーに座れば落ち着いてじっとしてくれるから楽なのですが、それにはまた別の苦痛が伴います。

長男は傍から見れば一見障害児だと気づかれません。それがどういう事かと言うと、周りの人からしてみれば、こんなに大きな子供をまだバギーに座らせているなんて子供が可哀想、怠慢な母親だ、と思われてしまう事があるのです。心無い言葉をかけられた事も過去に何度もありました。その度に悲しい気持ちと悔しい気持ちが溢れ、気分が落ちてしまいます。皆が皆そうではなく、親切で優しい人もたくさんいますが、どうしてもその場面は未だに慣れず、そして受け入れられず、バギーに乗せた長男と出掛けるのを苦痛に感じてしまうこともあります。

事情も知らず心無い言葉をかけてくるような人たちは極一部、気にしないのが一番だよと周りからは言われますが、そう割り切るのは中々難しいです。そんなことどうでもいいと思える鉄のメンタルが欲しいです😩
気を強く生きて行かなければ、この先幾度となく同じような壁にぶち当たり悩むことになるでしょう。私にとって永遠の課題なのです。

食事事情

 

長男は毎日決まった物しか食べません。学校にも食べれるものを持参しています。1〜2歳位のまだ小さい頃は、作る物をだいたい拒まず食べてくれていたのですが、成長するにつれ食べれる物がどんどん減っていき、今ではたった数種類の食べ物しか受け付けなくなってしまいました。朝食はハムトースト。ハムは特定の1種類のもの以外は拒否します。ただ雑穀トーストを食べてくれるので、多少栄養は摂れていると勝手に納得しています。昼食はとあるスーパーのパンコーナーで買えるピザパン。色々な店のピザパンを試しましたがどれも受け付けてはくれません。夕飯は、たまにふりかけご飯(雑穀米は食べてくれます)を食べてくれることもありますが、大抵の場合ハムトーストか、ピザパンを要求してきます。子供が好きそうな手作り料理は全て拒否されます。

そして食べ方にも拘りがあります。必ず本または雑誌を持って来て床に座って見ながら食べるのです。行儀は良くありませんが、いつからかそのスタイルが定着してしまいました。椅子に座ることも出来ますが、すぐに降りてしまい食べるのをやめてしまいます。長男は食に興味や欲が全くなく、生きる為にただ食べるという感じで体型もかなり華奢です。私からすると、椅子に座らせようとして結果食べてくれないのなら、どんなスタイルでも良いから食べてほしい..それで今の状況となりました。学校ではきちんと座って食べているようなので問題ないかなと感じています。何故か家では頑なに今のスタイルを崩そうとはしません。これも自閉症からくる拘りなのでしょうか。

 

長男の食事スタイル

急な変化が苦手

 

長男の毎日はルーティン化しており、その通りに進まないと混乱が生じる場合があります。ただ毎回必ずそういうわけではなく、それもまた彼の中に規則や拘りがきっとあるのでしょう。変化が生じても問題無い場合もあるのです。

例えば風邪で学校を休み家にいるというような変化の場合は全く問題ありません。最初から学校へ行く準備をしていないので、彼にとっては変化ではあるものの急ではないから大丈夫なのでしょう。ただ一度着替えて準備をし、家を出る予定が急に予定変更となりそのまま家にいる、という状況では軽いパニックが生じます。時にそのパニックは30分程度続きます。状況を説明しても何故かを理解できないからだと思います。

彼は急な変化が苦手なのです。何か伝えたい事があってそれを言葉にして伝えられたら、混乱が起こる事もないのかなと思います。気持ちを理解してあげようと思っても容易いことではありません。何となくそうではないかと想像つくこともあれば、全く理解できないことも多々あります。
幾度となく、言葉が出れば分かることがたくさんあるのに...と切に願いますが、それはこの先もずっと叶うことのない夢の話なのでしょうか。

 

謎は謎のまま

 

話はまた過去に戻ります。

このままどうなるのだろう..と不安な日々を送っていたある日、学校からメールが届きました。長男が朝食を完食したという内容でした。あまりに突然で驚いたのと同時に、あぁ食べてくれた..良かったと心から安堵した瞬間でした。未だに何がきっかけで、どういう心の変化があったのか、話が出来ない長男から聞く術はなく疑問は残りますが、それでも食べてくれたならそれで良いではないかと思っています。
その日は何と昼食も完食したと連絡があり、本当にいきなりどうしちゃったの?と不思議で仕方がなかったです。嬉しい事ではあるけれどあまりにも突然な出来事でした。
意志疎通が難しいので、幾度となくそういう場面は訪れます。残念な事に答えが出ることは決してないので、何となくもやもやする事が多い現実。最後はきっとこういう事だったのだろうと自分で勝手にこじ付けて納得するようにしています。でもポジティブな出来事ならそれでいいのです。
それからというもの、現在に至るまで毎日学校で食事をとっています。本当に彼の中で一体何が起きたのだろう?永遠に迷宮入りです。

どんより暗い冬

 

2024年始まりましたね🎉


今日はトラムに乗って街まで出掛けて来ました。

生憎の雨模様で、昼間なのにどんよりと薄暗い。ドイツの冬はこんな天候が毎日続きます。

 

今日はバギーなしで長男と外に出てみましたが、やはり一筋縄ではいきませんでした。長男はとにかく自分の行きたい方向へどんどん進んでしまい、危険だからとそれを阻止しようとすれば即パニックに繋がり興奮状態に陥ってしまいます。車や電車等の危険性を全く理解できない長男を連れて外に出る事は本当に骨が折れます。

そういった理由からいつもはバギーに座ってもらうのですが、将来の事を考えたら少しずつバギーなしで歩く練習もしていかないといけないので、今日は頑張ってみたのですがやはりとても大変で心底疲れ果ててしまいました...。自分の行く手を阻まられると興奮状態になり大声を出すので、周りの人々の迷惑になってはいけないと宥めるのですが、一度興奮状態に陥ると元に戻るまで時間を要します。外でも店内でも同じです。こんな状態ですので、お店でゆっくり買い物等到底できず、皆の心の安定の為、次はやはりバギーで行こう..と誓った日なのでした。
それでも外に出ることは気分転換になるので、雨に濡れたりもしましたが、出掛けて楽しかったなと思えました。
終わり良ければ全て良し、ですね。

只今休暇中

 

私達の住んでいる州は、学校のクリスマス休暇が3週間あります。州によって休暇の期間や時期は多少変わってきます。イースター休暇や、秋季休暇、クリスマス休暇はそこまで長期ではないので大体どこの州も同じ位の時期(多少ずれます)や期間になりますが、夏季休暇は6週間と長い為、州ごとに休みの時期が数週間ずれます。高速道路や鉄道の渋滞や混雑を避ける為です。

ドイツの冬は本当に暗く、天候も悪い為家で過ごす事が多いです。休暇中は、週一の買い物に出たり、トラムに乗って街に出て、普段行かない場所で少しだけ買い物を楽しんだり食事をしてくる位でしょうか。長男は外出が好きなので、外に出ると色々な物に興味、関心を示し、常に周りを観察している様子です。残念ながら外食をしても長男だけは食べられませんが、それでも店内を観察し、いつもと違う風景を満喫しているようです。ただ長い間じっと座っていることが出来ず、暇を持て余すと大きな声を出し始めるので、外食はほとんどできていないのが現状です。

今日は週一の買い出しの日でした。もう2023年も残るところあとわずか。色々あったけれど皆が健康に過ごせる事が一番の幸せであると実感した年でもありました。

年越し、年明けに必要な物をまとめて買って来たので、大晦日と新年は子供たちと楽しく賑やかに過ごす予定です☺️

 

ドイツで年末にスーパーで売られるドーナツ

 

学校生活の始まり


長男は9月から特別支援学校に通っています。
それまでは週に2回の療法と幼稚園の生活でしたが、
学校に行き始めると、両療法は一時休止となりました。
学校で十分な療育を受けられるからです。
 
学校へ行き始めて最初にぶち当たった壁は食事でした。
長男は、小さい頃はまだ割と色々な物を食べられていたのですが、成長していくにつれ食べられるものがどんどん減っていき、
今ではハムトースト(ハムは一種類のみ)、ブドウ、
ピザパン(決まった店のみ)、ふりかけご飯、しか食べなくなりました。色々与えようと思うのですが、絶対に食べようとはしません。インターネットで読んでいてある程度分かっていた事ですが、酷く悩んだ時期もありました。
 
今では、食べられる物があるだけいいじゃないか!と割り切って考えられるようになりましたが、栄養面のこと等を考えると昔は中々受け入れられず、長い間悩み続けた問題でした。
 
学校の給食ももちろん受け付けないので、毎日食べられるものを朝食、昼食分持たせています。ただ、環境の変化が苦手な自閉症児にとって、"学校で食べる"という事が中々理解できずに
最初は全く食事をせずに帰宅する日々でした。
朝は早い時間に送迎バスが来るので家では食べず、朝食も学校で食べず、昼食も拒否..そんなに長い時間何も食べずにいたら
学校できちんと授業を受けられないと思い、深く悩みました。
先生とも日々連絡を取り合い、どうすれば食べるようになるか皆で試行錯誤する毎日。
せめて家で朝食を済ませられたらと思い登校前に与えてみようともしましたが、朝早かったこともあり受けつけてくれませんでした。帰宅する頃には腹ぺこ状態なので、まずすぐに食事を与えるという状況でした。
 
お腹は空くのに学校で食べることを頑なに拒否する、やはり拘りなのでしょうか。そんな生活が学校に行き始めてから2〜3週間続きました。 
 

一番好んで食べるハム+全粒粉トースト